8月24日から映画「ラストマイル」が公開になりました!
脚本・野木亜紀子さん、監督・塚原あゆ子さん、プロデューサー・新井順子さんがタッグを組んだ
初の映画作品で話題を呼んでいます。
この映画では「アンナチュラル」と「MIU404」の登場人物も出演するとなって、楽しみにしている人も多いです。
今回は、【体験レビュー】としてラストマイルのラストを徹底考察、映画のネタバレと実際観た感想、SNSの口コミをまとめました。
ラストマイルのラストを徹底考察!

この記事には映画「ラストマイル」のネタバレが含まれています。ご注意ください。
これから映画を見る予定の人や、映画が気になっている方はお控え下さい。
ラストマイルのラストは、仕掛けられた12個の爆弾をギリギリの所で無事に回収し、
エレナが辞職する形で終わりを迎えます。
その中で最後の二つのシーンに謎が残ったという声が多かったようです。
①五十嵐が倉庫へ来て何かを探しているような様子
②センター長を引き継いだ孔が複雑な表情をしていた
この二つは、次のように考察しました。
①エレナから「爆弾はまだある」と言われたサラが、五十嵐に伝え、五十嵐が倉庫へ探しにやってくる。
そこでロッカーの暗号を初めて目にし、山崎は単に死のうとしたのではなく、コンベアを止めようとしていたのではないかと気が付き、山崎が飛び降りた場所へ行った。
②センター長を引きついた孔の心情としては、仕事はプライベートと切り離して割り切ってやることをポリシーとしていたけど、とんでもなく重いものを引き継いでしまった。
自分に耐えられるか、やっていけるかという不安と緊張から何とも言えない表情だった。
最後の孔の表情は本当に色々な含みのあるような表情で、自分だったらどうする?と問われている感じもしました!
映画ネタバレ①:連続爆発事件が発生する

11月、流通業界最大のイベント「ブラックフライデー」の前夜に、世界規模の大手ショッピングサイトデイリーファスト(デリファス)から配送された段ボール箱が爆発する事件が起きる。
爆発でアパートに住む男性が焼死した。
その後も立て続けに、デリファスから配送された段ボールの爆発事故が起き
その日デリファスの巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は
チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と事態の収拾にあたることになる。
爆発した荷物は全て、エレナが着任したばかりの倉庫、西武蔵野ロジスティクスセンターからのもの。
エレナは上司である五十嵐(ディーンフジオカ)に報告するが
目標の数字のため出荷を止めることを許されなかった。
デリファスの荷物の多くを配送している運送業者、羊急便の局長の八木(阿部サダヲ)も
爆破事件に振り回されることになる。
連続爆発事故が起こる中、羊急便と業務委託し、デリファスの荷物を配送している佐野運送の佐野昭(火野正平)と佐野亘(宇野祥平)親子は荷物一個を配達して150円、受け取ってもらえないと一銭にもならないという劣悪な状況の下、昼休憩の時間をも削りながら働いていた。
映画ネタバレ②:デリファスの闇が明らかになる

西武蔵野署から毛利(大蔵孝二)と警視庁捜査一課から刈谷(酒向芳)が、捜査協力のために
倉庫へやってきて捜査が進む。
爆破予告用のPVが、ある人物によって流されていたことが分かり、
そのPVによると爆弾は全部で12個あるというものだった。
PVを流したとされる人物は以前デリファスでチームマネージャーをしていた山崎佑(中村倫也)だった。
警視庁機動捜査隊の伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)が山崎の行方を追うが
山崎は昏睡状態で入院していたことが判明する。
山崎は5年前に、「ブラックフライデーが怖い」と言って、務める倉庫の上階からコンベアへ向かって飛び降りたのだった。
ロッカーには山崎が書いたとされる暗号のようなもの「2.7m/s→0」「70kg」が残されていた。
警察の捜査が行われる中で、必死に倉庫の物流を止めないように、エレナが奔走していた。
しかし、そんなエレナも過去に仕事のストレスから眠れなくなり、3か月間休職していたのだった。
西武蔵野ロジスティクスセンターへの着任はエレナにとって社会復帰のタイミングでもあったのだった。
映画ネタバレ③:暗号の意味と犯人が明らかになる

エレナと孔はロッカーに残された暗号の意味に気づく。
「2.7m/s→0」は秒速2.7m、倉庫で使われているベルトコンベアのスピードを意味し、
「70kg」はコンベアの耐重量を意味していた。
おそらく山崎はコンベアに向かって飛び降りることでコンベアを止めたかったのではないかと思われる。
結果的にはコンベアが止まったのは一瞬で、飛び降りた山崎はコンベアから降ろされ、すぐに再稼働した。
そして、この事件の犯人は山崎佑の恋人だった筧まりか(仁村砂和)だったことにたどり着く。
筧まりかは山崎が飛び降りて昏睡状態になってしまった原因は会社にあるとして、
過去にデリファスに掛け合おうとしたが叶わず、復讐するために爆弾を仕掛けたのだった。
筧まりかは広告代理店に働く傍ら、土日はデリファスの派遣社員として倉庫に出入りしていた。
山崎が流したとされる爆破予告のPVを作り、闇ルートで爆弾を入手し、倉庫で勤務中に爆弾入りの
段ボールを仕掛けた。
さらにホームレスから戸籍を買い、自分自身は男になりすまし最初の爆弾で自殺していたのだった。
(遺体の検死にはUDIラボの三澄ミコト(石原さとみ)や中堂(井浦新)らが立ち合う)
映画ネタバレ④:運送会社のストライキでデリファスが交渉をのむ

エレナは事件の真相が明らかになっていく過程で、最初は会社の利益を優先させるために
犯行予告のPVの件を黙認したり、事件が起きたのを配送会社である羊急便に原因があると話し強気だった。
しかし勤務中に飛び降りた山崎と同じように自分も以前精神を病むほど追い詰められていた事実に向き合うようになる。
そういう人間を生み出している状況の中で立ち止まり、何か行動しなければならないと考えを改めていく。
そして羊急便の局長、八木と話し、ストライキを決行する。
上司の五十嵐に羊急便を含め、大手の運送会社もデリファスの仕事は受けないと言っていること、
運送が止まってるので何百人といるデリファスの派遣社員には休みを取らせている(会社都合の休みなので給料は発生する)と伝える。
五十嵐は最初取り合おうとしなかったが、事態の重さにデリファスアメリカ本社からも責任を追及されると恐れ、配送業者への賃上げを約束し、交渉を飲む。
映画ネタバレ⑤:事件解決後、エレナは辞職しセンター長の役職は孔へ引き継がれる

爆弾入りの段ボールは全て回収できたと思っていたが、最後の一つが誤って配達されてしまう。
爆発する寸前の所で佐野運送の佐野亘が爆発から配達先の家族を守ることに成功する。
全てが解決したところで、エレナは辞職を決意し本社(アメリカ)のサラに告げる。
サラはこの事件が起きる前に筧まりかから事件を予告するメールを日本から受けとっていたが、
単なるイタズラだと無視していたのだった。
そして念のためにエレナを西武蔵野ロジスティクスセンター倉庫へ送り込んでいたのだった。
企業の体質にエレナは見切りをつけ、辞職しセンター長は孔へ引き継がれた。
いろいろなものから解放されたエレナは、最後に警察からの聴取を待つ間にいつの間にかパトカーの中で眠ってしまう。
ようやく熟睡できたような、穏やかな表情で眠るのだった。
タイトル「ラストマイル」の意味を考察

「ラストマイル」は“物流の最終地点から、お客様の手元に届く最後の区間のこと”を言います。
この映画の中でのラストマイルは物流の最終地点で働く佐野運送の佐野親子たちのような人のことなのかな?と考察しました。
利益重視で超合理化、システム化された流れの中で、ラストマイルに集まっているひずみがどうにもならなくなっている、ということを強調したくてタイトルに込めたのかなと思いました。
実際に観た感想

映画を見終わった後は、まだ解決してないところがあるような感じでしたが
後でパンフレットを読んで野木さんの脚本であえて余白を残してあると知って納得でした。
映画を見た人に考えてもらう意味で、余白を残したんだなー、なるほどなと思いました。
物流に焦点を当てた社会問題、、今日ネットでポチったものが明日届くという便利さの裏側に
こんなひずみがあるかもしれないことを考えたことがあったかな、とハッとしました。
仕事に忙殺されて精神をすり減らしてしまう人、大手企業に買いたたかれている末端の会社
(この映画ではラストマイルで働く人たち)がいること、考えてもどうすることもできないけど
社会の中で生きているんだったら、何も疑問を持たずにいること、何か違和感を感じてるのに
見過ごしているのは違うよと、エレナを通して伝えたかったのかなと思いました。
映画に登場する俳優陣がとにかく豪華!テーマとなってる社会問題はとても重い問題だけど、コミカルなシーンがあったり、「アンナチュラル」や「MIU404」の登場人物が出てきたところでハイテンションになったりとエンタメとしても十分楽しめる作品だと思います。
SNSの口コミまとめ
SNSで「ラストマイル」を観た口コミをまとめてみました。
【体験レポ】ラストマイルのラストを徹底考察!映画ネタバレと実際観た感想、SNSの口コミまとめ
・映画「ラストマイル」は物流に焦点をあてた社会問題をテーマにしている。
大手物流会社の配達物の中に爆弾が仕掛けられ、次々と爆発事件が起こるところから物語がスタートする。
爆発物は主人公が着任したばかりの職場(倉庫)から仕掛けられたことが明らかになり、犯人は以前同じ職場で働いていた社員の恋人だった。
・利益重視、超合理化社会の中で生まれるひずみについて考えさせられた作品だった。
・出演する俳優陣がとにかく豪華で、映画のテーマは深くて重いものだったけど、コミカルな要素もある。
「アンナチュラル」や「MIU404」の登場人物が出てきてストーリーに絡んでくるところがとても贅沢な感じがした。